はじめに
海外のとあるスタジオが制作した『ベルセルク』の無許可アニメ化が炎上しています。
今回は炎上の全貌を紹介しています。
事件の概要だけでなく無許可でアニメ化したスタジオの概要や
国内海外の反応も一緒にまとめていますので是非最後までお付き合いください。
ベルセルクとは
"Berserk" by Kentarou Miura has 50 million copies (including digital) in circulation worldwide. pic.twitter.com/dBIATjDl0s
— Manga Mogura RE (Anime & Manga News) (@MangaMoguraRE) May 26, 2021
『ベルセルク』は三浦建太郎によって創作された日本のダークファンタジー漫画です。
1989年から連載が始まり2023年9月時点で全42巻が刊行されています。
物語は中世ヨーロッパを舞台に主人公ガッツが大剣「ドラゴンころし」を携え、
因縁の敵である「ゴッド・ハンド」への復讐の旅を描いています。
物語のテーマには、復讐、友情、裏切り、など様々な要素が含まれています。
『ベルセルク』はその緻密な画風と深いストーリー展開で知られ、
日本に留まらず海外でも高い評価を受けています。
特にキャラクターの内面描写や壮大な世界観が評価されており、
アニメ化や劇場版映画化もされています。
またゲーム業界にも大きな影響を与えており
『ファイナルファンタジーVII』のバスターソードや『モンスターハンター』の大剣など
数多くの作品に影響を与えたことが知られています。
『ベルセルク』作品概要についてはこちらで紹介しています。
事件の背景
𒉭 #BERSERK: The Black Swordsman ENGLISH DUB TRAILER.
Episode 1 scheduled for 2025 𒉭
#ベルセルク #GUTS #Griffith #Casca #StudioECLYPSE pic.twitter.com/TCMjjlvdfm
— Studio Eclypse (@studio_eclypse) July 1, 2024
Studio EclypseがPatreonというクラウドファンディングプラットフォームを通じて資金を募り、
営利目的の活動を行っていることが問題視されています。
白泉社はこの活動を無許可とし公式声明を発表しStudio Eclypseに警告をしました。
YouTubeやSNSを通じてその作品を広めています。
彼らの活動は『BERSERK: The Black Swordsman』の制作で注目を集めています。
2021年にSNSを開設したStudio Eclypseは、
2025年公開予定の『BERSERK: The Black Swordsman』のコンセプト映像を公開しました。
この映像はファンの情熱を反映したもので多くの視聴者を魅了しました。
公開された映像はYouTubeで425万回以上再生され、日本のファンからも多くの反響を呼びました。視聴者はそのクオリティの高さに驚き、公式作品と勘違いする声も上がりました。
Studio Eclypse
𒉭 Day of the Eclypse KV for #BERSERK : The Black Swordsman 𒉭
Trailer releasing on May 2024.#ベルセルク #GUTS #Griffith #StudioECLYPSE pic.twitter.com/z4wrMS1uys
— Studio Eclypse (@studio_eclypse) April 8, 2024
グループ概要
Studio Eclypseはファンアニメーショングループであり、
主にアニメやマンガの作品をファンのために制作しています。
彼らは特に「進撃の巨人」の同人作品「#AoTnoRequiem」と
「BERSERK: The Black Swordsman」のアニメ化に取り組んでいます。
彼らは公式アニメスタジオが手をつけない作品をファンの力で実現しようとしています。
アニメスタジオが実現できなかった高品質な作品をファンの手で制作することを目指しており
ファンの情熱とクリエイティビティを活かし独自のアニメーションを生み出しています。
Studio Eclypseは様々な経歴を持つ才能あるアニメーター、アーティスト、
ミュージシャン、声優、作家などの専門家から成る多様なグループです。
彼らの活動はファンによって作られファンのために提供されることを強調しており、
YouTubeやSNSで進捗状況やアニメーターによるイラストを共有し
ファンとのコミュニケーションを深めプロジェクトの透明性を保っています。
このグループはファンが求める作品を制作することでアニメ文化に貢献しようとしています。
彼らの作品はファンコミュニティ内で高く評価されておりSNSやYouTubeでの存在感が強いです。
今回の騒動の前にあった「進撃の巨人プロジェクト」
🔰Attack on Titan: Requiem🔰
Coming out Fall 2024.
Sound on🔊#進撃の巨人 #shingeki #aot #AotnoRequiem #eclypse pic.twitter.com/DNTl4zmfWE
— Studio Eclypse (@studio_eclypse) November 15, 2023
Studio Eclypseは進撃の巨人の「もしも」シナリオを採用したプロジェクトを進めています。
このプロジェクトは原作のストーリーに新たな視点を加える試みであり、
ファンの想像力を刺激する内容となっています。
このプロジェクトはファンの間で人気のあるレクイエム理論に基づいています。
レクイエム理論とは物語の結末に対する代替案を提供する物で
原作のファンの間で多くの議論を呼んでいます。
この”もしも”作品「AoTnoRequiem」のアニメ化は
同人作品の無許可アニメ化という複雑な物になっています。
詐欺疑惑
Studio Eclypseは「進撃の巨人」に関連するクラウドファンディングキャンペーンで
詐欺の疑いをかけられています。
このキャンペーンはシリーズの10周年を記念して、
キャラクターの銅像を制作することを目的としていましたが、
資金の管理や透明性に関する懸念が浮上しています。
このプロジェクトはCAMPFIREというプラットフォームで行われ、
エレン、ミカサ、アルミンの銅像を作者の故郷に設置することを目指していました。
しかし支援者の中には資金の使途やプロジェクトの進捗に関する情報が
不十分であると感じる人もおり詐欺の可能性が指摘されています。
また今回の『ベルセルク』の無許可のアニメーションプロジェクトでも批判を受けており、
著作権侵害の疑いが持たれています。
これにより同スタジオの信頼性に対する疑念が高まっています。
白泉社の声明
読者の皆様へ
ベルセルクのアニメーション製作が以下のXアカウント(https://t.co/gfZWTH3KUm )
及びウェブサイト(https://t.co/RvvTmchoof )にて告知されていますが、
著作権者である三浦建太郎(スタジオ我画)は許諾しておりません。
また、使用されている映像も無許可のものです。… pic.twitter.com/z7cJ1gJg3i— ベルセルク公式 (@berserk_project) September 11, 2024
2024年9月11日、白泉社は公式Xアカウントを通じて声明を発表しました。
この声明は人気漫画『ベルセルク』の無許可アニメ制作に関するもので多くの注目を集めました。
声明ではStudio Eclypseが制作したアニメが無許可であること、
さらに使用されている映像も無許可であると指摘されました。
これにより著作権侵害の問題が浮き彫りになっています。
白泉社はこの声明を日本語を含む5つの言語で発信し国際的な注意喚起を行っており、
世界中のファンに対して公式の”立場”を明確に示すことになりました。
この措置は著作権の保護と公式作品の価値を守るためのものであり、
ファン活動と公式作品の境界を明確にする意図がありました。
著作権問題の詳細
三浦建太郎先生とスタジオ我画は『ベルセルク』の著作権を有しており
無許可の使用は法律に違反します。
著作権は創作者の権利を保護し作品の無断使用を防ぐための重要な法律です。
無許可でのアニメ化は公式のビジネスと競合し著作権者の利益を侵害する可能性があります。
特にファンメイド作品が公式と混同されると公式の収益に影響を与える恐れがあります。
法律的な観点から二次創作であっても営利目的での使用は著作権法に抵触する可能性が高く
またクラウドファンディングを通じて資金を集める行為は営利目的と見なされることがあります。
白泉社は著作権侵害に対する厳しい姿勢を示しており、
無許可のアニメ制作に対して法的措置を含む対応を検討しているとされています。
ファン制作の影響
ファンカルチャーにおいてファンによる二次創作は広く受け入れられていますが、
今回の『ベルセルク』のケースでは営利目的での制作が問題視されています。
またStudio EclypseはPatreonで資金を募り公式と混同される可能性が指摘されています。
白泉社は無許可のアニメ制作が公式のビジネスに影響を与える可能性があるとして、
公式Xアカウントで注意喚起を行いました。
公式と混同されるリスクが高く著作権侵害の問題も浮上しています。
Studio Eclypseのプロジェクトに対するファンの反応は様々で
著作権を重んじるファンはStudio Eclypseの作品が原作の魅力を損なうと懸念しています。
一方で白泉社に対し批判的な意見を持つファンも存在します。
彼らはStudio Eclypseの情熱と創造性を高く評価し背景美術のクオリティなどの観点から
彼らのプロジェクトを支持しています。
この様にファンの間では白泉社の対応を支持する声と、
ファン活動の自由を求める声が分かれています。
公式の声明に対してファンの意見は多様であり現在もアニメ化に対する議論が続いています。
今後の展望
現在白泉社は無許可でのアニメ制作に対し著作権保護のための法的措置を検討しています。
公式声明を通じてファンとの対話を重視しつつ権利の侵害を防ぐ姿勢を示しています。
公式の新たなアニメ化プロジェクトが進行する可能性があり公式の発表が待たれている状況です。
また海外のファンコミュニティの反応が今後の展開に影響を与える可能性があります。
国際的な視点からの意見が作品の方向性に影響を及ぼすことが予想されます。
本件の管理人の考え
先に結論を書きます。
無許可でアニメ化したスタジオが100%悪いです。
日本国内では著作権という物が絶対的な立場を持っています。
しかし海外では「クオリティの高い物作ってやったんだからむしろ感謝して欲しい」
と考える国や団体もあるそうです。
実際に今回の件も海外では無許可でアニメ化したスタジオに対して
「公式だかなんだか知らないけど、高いクオリティで作ってくれたんだからうるさいよ!」
と警告を行った白泉社に批判が殺到しています。
日本国内でこの様な事件があれば間違いなく大炎上する案件ですが、
今回の場合は世界準拠と黙って目を瞑るべきなのでしょうか?
確かに考えを広く持つというのは時には重要かもしれません。
ただし今回の件に関しては管理人はそうは思いません。
今回の件は取り上げている作品が日本の作品であることから、
日本の法律に準拠するべきだと思っています。
いくらクオリティの高い物を作っていても日本の決まりである”許可”を貰っていない以上
駄目な物は駄目だと考えるべきだと思います。
色々な人がいるように意見も色々あると思いますが、
明確に誰が悪いかはっきり言えと言われると無許可でアニメ化したスタジオだと考えています。
最後に
ベルセルクの無許可アニメ化について解説しました。
確かに物凄いクオリティですがいくら愛があっても
無許可なのは日本では許されない事ですよね。
海外ではクオリティが高ければ公式側が歓迎する場合もあり得るかもしれませんが
今回は取り扱った作品が日本の作品であり、絶対的な権利を持つ公式がダメと言っている以上は
このルールに従うべきだと思います。
海外でカルト的人気のあるベルセルクですが、
恐ろしいのは今回のアニメ化に対する公式声明に対して批判している事ですね…
ベルセルクは現在42巻まで刊行されているんですね。
管理人は何処まで読んだか忘れました。
これを機にもう一度読み返すかな…
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